リモートデスクトップのヘビーユーザーである私は、キーボード付AndroidであるTransformerは、普段持ち歩いているWindowsノートを置き換えることができるかもしれない新アイテムです。私個人は、通常の業務メールなどのやりとり、開発作業(VisualStudioを使ったプログラミング)などはリモートからなるべくRemoteDesltopで行っており、持ち歩くノートPC上ではなるべく作業しない極力「シンクライアント」的な使い方をしています。
はたして、AndroidはリモートのWindows上での作業に使える「シンクライアント」として期待に応えてくれるでしょうか。その試行錯誤をまとめてみようと思います。
以前より目を付けていた Android用 Remote Desktop クライアントはこれです。
「Remote RDP」
https://market.android.com/details?id=org.toremote.serversmanager
他にも各種のクライアントアプリが公開されていますがこのアプリが優れている点はのは、Marketの説明文によると次のような感じになります。(適当な訳なので間違っていたらごめんなさい)
- 各種Windowsバージョンへの対応: Windows 2000 Server, Windows XP Professional, MCE 2005, Windows Server 2003, Windows Vista Business or Ultimate, Windows Server 2008, Windows 7 Professional, Business or Ultimate, Windows Server 2008 R2.
- Enterprise版で、 TLS(SSL) 暗号(RDP over SSL)に対応。��れはMicrosoft純正以外で初めて。
- モバイルのRDPクライアントで初めて双方向の音声に対応。録音はEnterprise版でのみ対応。
- RDP バージョン7に対応
- Adminモードとアプリケーションモードの両方に対応。
- セッションの自動再接続に対応。
- ローカルとリモートの間のコピー・ペースト。
- SDカードをリモートのディスクとして接続してファイルのダウンロードアップロードが可能。
- サウンドの再生: Alaw, Mulaw(ULaw), Adpcm, GSM6.10 などのフォーマットに対応。
- VOIPレベルのハンド幅: 音声再生時に他のサードパーティーのRDPクライアントに比べて 70%-90% 少ない。
ショートカットキーのカスタマイズ。SDカードへのインポート・エクスポート
- ブラウザのズームボタンと同様のズームイン・ズームアウト機能
リモートのウィンドウ操作のスマートな反応:フリップ・高速移動でリモートのスクリーンをスクロール、通常の動き・ゆっくりした移動(タップ、ポーズ、移動)でリモートのウィンドウの移動とドラッグ。タップ操作:通常または短いタップで左クリック、長いタップで右クリック。
- 入力カーソルを賢く検出して、ソフトウェアキーボードを自動的に表示・非表示します。
- カーソル移動:スクロールバーを高速に動かしたときにマウスカーソルも進む(?)
- マウスホイール対応
- ピンチズーム・ズームアウト
- 128ビットの TLS(SSL)暗号
- 接続管理
- 各言語キーボード対応
- わずか143 KBでも高機能
- 外部接続のマウスやキーボード、画面の解像度、タッチパッドにも対応
とくにTransformerで私の用途(メインのリモートPCがWindows7)を考慮すると、Windows7の新しいプロトコルに対応している点、解像度やキーボードなどタブレットでの利用も考慮されている点が重要です。
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さて、RemoteDesktopのアプリがあって、携帯の小さい画面から利用可能なことは以前にも試したことがあり、分かっていました。今回期待すべくはタブレットの画面で、従来ノートPCからやっていたような操作性にどこまで迫れるかということです。
結論から言えば、「使用は可能だが問題が多々」といったところです。
Transformerでの設定のポイントはこんな感じです。
画面の解像度は 1280x750が最適
WindowsVista/7のよりセキュアな認証が必要な場合 EncryptionをEnhancedに(Enterprise版でのみ可)
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通常のWindowsPCから使用してみた時の気になる違いは
▼Androidのマウスカーソルとリモートのマウスカーソルはいつも追随しない
Transformerのタッチパッドでクリックしたときに初めてリモートのマウスカーソルの位置が更新されます。ウェブブラウザなどでMouseOverなエフェクトがうまくできないことになります。
▼パッドのダブルクリックでホールド(ドラッグ操作の代替)はない
本来OSの機能ではなく後付けのものですからなくても仕方がありませんが、つい期待してやってしまいます。
▼キーボードの入力はいろいろ謎がいっぱい
一番苦戦しているのがキーボードの問題です。ご存知のようにTransformerのキーボードはWindowsの典型的なものと違ってファンクションキーがない、ESCキーがない、DELキー、ALTキーなどよく使われるキーがないので、その代用となる操作はいかなるものか、あるいはないのかいまだ不明が多くて苦労します。
▼日本語入力モードに切り替えるすべがない
▽日本語キーボードの「¥」キーを押すと異常終了してしまいます。(これはアプリのバグでしょう)(最新版では修正済みです)
●一方でBluetoothキーボードで利用するとほぼ問題なし
REUDOの RBK-2000BT3 という折り畳み式のキーボードで試したところ上記のキーボード問題はほぼ解決します。
- ファンクションキーが使えます(FNキー+1,2,3...)
- キーボード上の文字と実際にタイプされる文字は一致
- ALTキー、ESCキーなどの特殊キーは動作
※ただし「WIN」キーや CTRL+ESC はなぜか動作せず
・ALT+~で日本語IMEの切り替えもOK
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つまるところ、現状ではTransformerのキーボードドックでRemoteDesktopをフルに使うのは難しいということになります。残念です。
Bluetoothキーボードでの動作はほぼ問題ないことから、TransformerのキーアサインをOSレベルで弄るなどすれば改善の余地があるかもしれません。
- FN+1,2,3,4...でファンクションキーとして動作してほしい
- ALT+の組み合わせをWindows上で期待する動作が起こるようにする
等々
進展があったらまた報告したいと思います。