20. January 2024
Jake
Audio&Visual
高級なパワーアンプと高級なスピーカーを手に入れたあと、マルチチャンネルで映画などを見るときのAVアンプの構成と、DACやネットワークストリーマーからのピュアな再生とでアンプ・スピーカーを共通して使いたいと思うものです。プリアンプ、プリメインなどの構成の場合入力ソースの切り替えに困難はないかもしれません。残念ながら当方の構成は、「プリ」段階のない、(DACまたはAVアンプ)→パワーアンプ→スピーカーというものです。これの切り替えと電源連動を自動的にやらせたいというのが今回の目標になります。
前提
- 入力ソース1 AVアンプ(フロントRCA出力、12Vトリガー2系統あり)
- 入力ソース2 DAC(XLR出力、12Vトリガーあり)
- パワーアンプ1台(XLR入力と12Vトリガー入力あり)
- フロントスピーカー1組
AVアンプだけの構成の場合は難しくありません。ピュアオーディオを目指す方々はやはりAVアンプの音質には我慢できず、ちょっと上のパワーアンプとDACを導入されているのではないかと思います。そんな環境でスピーカーは1組、入力ソースが複数となると、プリアンプを間に挟んで、プリアンプで入力切替を行うといった構成が正攻法ではないかと思います。
今回ここでは、無謀手抜き構成にチャレンジします。
今回のわがまま要件
- 最高音質を誇るフロントスピーカーとパワーアンプはAVアンプからもDACからも使いたい
- 音質をピュアではなくしてしまうようなプリアンプみたいなものは間に挟みたくない(単に予算ケチりたいだけ)
- AVアンプ、DACとパワーアンプの電源連動と入力ソース切り替えを全自動にしたい
- できれば切替器は電源レスにしたい
やりたい構成の構成図は次のような感じ
AVアンプ(YAMAHA)には12Vの電源コントロール用のトリガーが2系統。DAC(実際はそれとつながるネットワークプレーヤー)にも12Vトリガー出力。パワーアンプにも12Vトリガー入力があり、これらを駆使して実装します。
AVアンプの電源がオフの間はDACと繋がっており、AVアンプの電源を入れると入力ソースがAVアンプに切り替わります。またパワーアンプに入力した12VトリガーでAVアンプかDACのどちらかがオンになるとパワーアンプも自動的に電源が入ります。パワーアンプに2系統の 12Vトリガー入力があるか?と思いますが
- 12V in
- 12V out(pass through)
と、2つのピンジャックが実装されていることがあり、out のところを入力として使います。というのも中の回路は方向を意識した作りになっていないと思われるからです。私の場合実際これで動いています。
電源レスの可能性
AVアンプの12Vトリガー出力は 0.1A つまり 1.2Wまでの電力は供給できるとあります。この電力の範囲ならもしかしてリレーを直接駆動できるのではないかというのが「電源レス」の発想です。ごく汎用品の 12V駆動のリレーを探します。XLRのシグナルを左右通すためにどうしても2極、2系統が2つ要ります。データシートを調べます。オムロンの G5V-2 DC12 というリレーを見ると
- DC12V
- 消費電力 500mW
- 接点抵抗 50mOhm
2つで1W。ぎりぎりトリガーの電力で駆動できそうです。このシリーズのリレーには高感度版といって消費電力半分のものがありますが接点抵抗が倍になります。プリレベルのシグナルなので音質に響くほどのものではないと思いますがトリガーが使える電力が小さい場合はこちらを選ぶことになったかもしれません。
リレー2つだけで作る電源連動AV切替器
そこで2つのリレーを使った切替器の回路図を考えてみます。
今回は、入力がXLR+RCAなのでこうなりましたが、XLR+XLR入力でも同様に可能です。ポイントは、GNDを共通に繋いでしまっているところ。「切り替え」だけを考えれば、入力1,入力2がGNDも含めて完全に独立していてもいいのでしょうが、そうしたところ、切替時に盛大なポップノイズが入りあまり健康的ではありませんでした。
完成品の画像はあまりにひどいのであえて公開を控えさせていただきます。べたべたのはんだ付けと被覆の溶けた空中配線でとてもお見せできるものではありません。が、動作は問題なく、音質のロスもおそらく大したことなく実用上問題ないです。