Airpulse A80 vs ONKYO GX-D90

PC デスクトップ用として10年近く愛用した ONKYO D90 は実売1万円台にしてデジタル入力からの音がピカ一でずっと気に入っていました。が、ここにきて、いよいよ買い替え欲に堪えられず同じくらいのサイズのアクティブスピーカーを探すことにしました。

候補1 KANTO TUK 

某YouTuberの自慢のPCデスクに乗っていたのを見かけてから探し出した製品です。リボンツィーターとなんといってもこの美しい造形に魅かれるものがあります。幅16cmとD90の幅12cmよりもやや大きめです。8万円クラス。ただ日本では手に入らないのが難点です。

候補2 Airpulse A80

A100 A200などの先行するシリーズの評判が非常によく、後発のA80は音色もチューニングされているというレビュー多数あり、また幅14cmとデスクトップサイズです。

そこで、まずは、KANTO TUK と Airpulse A100 の比較レビューをあたりました。(A80はサイズ違いのため比較できない)2つほど英語の記事を見つけました。結論から言えば、A100がやや上。KANTO TUKは造形の美しさでバイアスがかかって見えるのかもしれません。

結論 Airpulse A80

そこで、サイズも理想的な A80 に決定。

ONKYO D90 より上を行けるか?

ONKYO D90は定価2万円。Airpulse A80は定価8万円。値段から言ってA80がいい音を出さないはずはありません。

A80 いざ試聴

筐体はずっしり重量感があります。剛性もしっかりしています。PCとはUSBで接続 192khz/24bitに設定し、Amazon Music HDからお気に入りの数曲を再生しました。

最初の印象は、レビューで見た通り、フラットな印象。特別な何かを感じるほどの印象はありません。音源に忠実に再生しているように感じました。ただ、ひっかかるのは、リボンツィーターが思ったほど仕事をしていない感じがするのです。まだエージングが進んでいないせいかもしれません。ELACのスピーカーで聞けるような透き通るような高音が聞こえてきません。もう少しエージングが進んで変化があれば改めて書こうと思います。

D90 vs A80

さて、一番気になるこれまで愛用したD90とどのくらい違うかという点。これは、唸らせられました。ONKYO D90 2万円弱がいかに素晴らしいスピーカーだったかを改めて知ることになりました。A80と明らかに違いがあります。ただ、違った試聴環境でいきなりD90かA80のどちらかを目を閉じて聞かされたらあてられる自信がありません。

D90はおそらくプラスチックの筐体に軽い素材のスピーカーです。内蔵のアンプ出力も15Wと小さく非力。が、しかし、前面についたバスレフポートのためか、低音はよく響くし、ツイーターの高音もこのクラスにしてはよく抜けています。ただ、どうしても筐体の素材のプラスチッキーな響きが薄くまとわりついているのがわかります。また、限られた素材で精いっぱいの印象を稼ぐべく周波数特性は私の耳で測ってもフラットではありません。その分、A80はモニタースピーカーというに近く、低域から高域までフラットで安定した音出しです。また、もう一つ大きく違うのは、音像の定位感で、A80のほうが中央に定位する精度が高く、音像が立体的に、よく高級オーディオでいうスピーカーではなく空中から音が出ている感覚に近いものを感じることができます。リボンツイーターのなせる業かもしれません。

結論

A80で行くのは間違いありません。が、D90を引退させるのが惜しい。この価格とこの大きさにしてこの音は間違いなくいいスピーカーです。そんな頃、ONKYOの債務超過のニュースが入ってきて残念ですが、ONKYOのクラフトマンシップの魂がこれからも生き続けてほしいと思った次第です。

Add comment